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事前質問(回答)

去る、2024年2月1日 生活クラブ(滋賀)、

2024年2月2日 生活クラブ(大阪・京都)にて

生産者交流会が開催されました。

奇しくも能登半島地震からちょうど1ヶ月が経ったその日。

話す側も聞く側も感慨ひとしおの交流会となったのではないでしょうか。

本日は、その交流会に向けて多くの事前質問が届いておりましたので

代表からの回答を含め、掲載させていただきます。

 

 

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  1. 不必要な添加物を使わずに作られている消費材。どのように作られていますか。

・・・下記 紫色の私の回答をご覧ください。

 

  1. 原材料の魚介はどこで取れたもので、どんな魚を使われていますか。

・・・・タラ(スケソウタラ)(北海道)、カナガシラ・グチ・オキギス・サバ・サンマ・イワシ

    アブラツノザメ・ヨシキリサメ(全部宮城県石巻魚市場より買い入れ)

 

  1. 消費材(国産の原材料と添加物のないもの)をつくるようになったきっかけ。(高橋徳治商店の成り立ち)

・・・1905年創業(初代高橋徳治)二代目高橋吉男まで水産加工品を生業にしてきた。

かつお節、・サンマ節・切り身・漬け魚・佃煮・たらこ・サンマ開きなどなど季節によって加工品を作ってきた。

同時に65年前からすり身製造から笹かまぼこ製造販売、45年前より大手の下請け。

三代目高橋英雄が東京から戻って専務時代に毎日床を這うような作業と特売(時に半値で納入)

の続く大手の下請けから脱皮しようと営業活動。

しかし仕事がないまま 1970年後半、埼玉県川口市の学校給食栄養士たちと出会い、

合成添加物の怖さを知る。

お好み風さつま揚げを初めて無添加で開発、県内の小中学校全校で使用される。

その後、東京練馬の友人から生活クラブ連合会を紹介され4年後、連合会扱いで提携が始まった。

アイテムは冷凍で(ボタンちくわ・サンマとイワシのつみれ・しんじょう風ハンペン・さつま揚げ)

生活クラブとの提携は40年を超えた。

 

 

  1. 震災前の業績に戻られてますか。生活クラブの利用量は増えていますか。

・・・・震災前(3工場、二つの会社でスタッフ79名、売上は15億円)

    現在(1工場に集約し、二つの会社で42名、売上は10億円)

    借り入れは震災前の三倍になったが少しずつ返済してきた

    生活クラブは震災前の80%まで売り上げを戻してくれている。

 

  1. 震災前と震災後、変わったこと、変えたこと。

・・・・事務所スタッフを含めて毎朝試食してオッケ-が出たら生産開始。2980日になる。

    こころの復興も大きなテ-マで「この地で真に必要とされる会社やスタッフになる」

と野菜果物加工場を(無謀にも)新たに借り入れし新築した。

地域の引きこもりやグレ-ゾ-ン三月で6年目に入る。

  1. 消費材のちょっと変わったレシピ、おすすめレシピ

・・・当社のHPに結構掲載されてますのでご覧ください。

  1. おいしいおでんの作り方

…会場で質問してください、すみませんが手を上げて。

 

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以下生活クラブ大阪からの事前質問と紫色はその回答です。

・漁港での水揚げされる魚種が変わり、漁獲量も減っていると聞きますが、

 練り物の材料は安定して手に入っていますか?

   ・・・石巻魚市場は水揚げ量で全国5位(10万トン弱)色々な漁船で年間200種類以上の

 魚介類が水揚げされます。

 そんな市場でも練り物に使う魚は徐々にタイトになってきています。

漁獲量は微減だが魚が小さい、時化が続き水揚げがない、多獲性魚

(さんま、タラ、イワシ、イカなど不安定や激減で)当てにならない。

魚種が変わってきた ②買い付け競争の激化 ➂魚価が上がってきた

(魚粉工場の買う価格上昇/輸出業者との競争/鮮魚出荷業者との競争/仕事を買う・・)

*おでんでは8種類の魚を駆使している、しかも脂がのっている時期や産卵後などは使えない。

鮮度は重視。

 

・リン酸塩、アミノ酸、弾力増強剤などの添加物を使わずに生産するのは、とても手間もコストもかかると

思いますが、具体的にはどのような違いがあるのでしょうか?

・・・・合成添加物はなぜ使うのか?⇒一番コストに響く「原材料」の価格を(増量し)

下げる為に味・弾力・保存性が悪くなるので合成添加物を使ってごまかす。

 増量は水や植物たんぱくや油脂を出来るだけ多く入れられるかどうかは「儲け」に繋がる。

市販品の価格競争に拍車がかかる。 当社の練り物は最大90%~70%とほぼ魚です。

 

・添加物のもたらす健康被害という面もですが、食感や保存性という点で、添加するのとしないのでは

どのような違いがあるのか、また、添加せずに製品を作る際、難しいところはどこですか?

・・・原材料はすり身で魚です。すり身から無添加だと凍結時、冷凍保管時でダメ-ジがある。

しかも産卵前や後、漁獲エリア、季節や大小、鮮度によって「旨み」も「弾力」「香り」も違ってきます。

小魚も駆使してますので 毎日が微妙に違う原料で練って加熱した製品は微妙に違ってきます。

魚の身は熱に弱く10度前後以下で仕上げなければボロボロになります。

「魚の声を聞け」と原料魚から見て手指で触り弾力や質を確かめ練り上げる時も

塩を入れるタイミングが違えば味も出てこなかったり塩の角が出たりします。

試し揚げや焼き・蒸しの後で0.001%(100kgに10gの塩)を

追い塩をするかどうかで悩みます。旨みがぐんと出てくるか、変に甘くなるか、しょっぱくなるか、

これも神経を使う技で決断です。

おとうふ揚げなら 豆腐の甘さやコク、タラの甘さやコクそして香りのピークを探る。

口に入れ噛みながら唾液と混じる、その旨みが口の中で

どのタイミングでピークになりどんな旨みを感じるか、飲み込みながら鼻腔から感じる香りはどんな香りか、

全部飲み込んだ後で口の中に旨みも何も残らないようにするためにはどうしたらいいか?  

全部の製品にそれぞれの「設計図」があるのです。

添加物はその難しさを一切なくし 工場機械生産でマニュアルに沿ってばらつきなく安定した

大量生産する役目も果たします。

高校を卒業したての若者が担当している工場を見たことがあります。

私どもは「臼掛け(練り込み)10年」と言われる世界でスタッフは頑張っています。

執念です。

 

かかる時は現場で試作品が出るのは作り始めて2~3時間後の朝9~10時、

その後事務方も含め毎日朝に試食して「微妙に修正し或いは製造ストップし」2980日もなりました

これは当社の製造も事務方のスタッフの矜持と執念です。

 「メッセ-ジを込めるんだ」と2011年10月に5日間かけて震災後初めて作ったおとうふ揚げ

1000kgを捨てた時の私の言葉です。 メッセ-ジは、こもっているでしょうか?

 

・かつおぶしエキスはどうやって作っているのですか?

・・・エキスはカツオの煮出し汁を凝縮したものを購入しています。その他に当社で鰹節、

サバ節を煮だしてその出汁を練り物に入れています。

あくまでも多種の魚の旨みのバラツキの調整だけなので・・・ソフトはんぺん(0.4%)などわずかです。

 

・おでん種セットに追加する具材でおすすめの消費材はありますか?

 ・・・おとうふ揚げ、わかめハンペン、おとうふ揚げ五目、関西風のだし汁ですと

ちょっと贅沢ですがエビしんじょすり身

 ・・・鶏骨付きもも肉を鍋の底で軽く焦げ目をつけその後でスープ、おでん種を入れて

(鶏モモ肉以外)召し上がると濃厚な出汁に。

スープは少し残し、もも肉をほぐしそこにご飯やうどんなど入れて雑炊にして二度楽しめます。

 

・練り物は煮ないといけないと思っていたのですが生でも食べられると聞いたのですが本当ですか?

 ・・・・エビしんじょうすり身やイワシたたき身以外はすべてしっかり加熱していますので生で結構です。

 ですが、おいしく召し上がるには、35~40℃(人肌程度)まで温めて頂くと 作り立ての味や香り、

弾力が味わえます。 ほぼ魚ですから。   

 

・お魚のマイクロプラスチック・PFOSが気になります。そして漁獲量・・・、大変ですよね。

・・・・これは交流会でお話ししますが 今は未ださほど心配ないとある大学の教授の話ですが、

今後は影響が出てくる可能性は高いとも言ってます。

 

また交流会後にアンケート結果が届き、

感想や質問などがございましたのでそちらも記載いたします。

 

  • 感想をご自由にお書きください。

1.いつもおいしくいただいている練製品がどのようなこだわりの中で

つくられているのかを知りたくて、参加しました。

「魚を食べているのか、添加物を食べているのか、何を食べたいのか」

という高橋さんの言葉が印象的でした。

他で安く手に入る練製品との違いを知ることができて

より一層、生活クラブの消費材が好きになりました。

また、困難をかかえた若者向けに野菜加工工場もスタートされた、ということで

あたたかい思いを持った生産者さんがいてくださる事を知り、

とてもうれしくなりました。

 

  • 感想をご自由にお書きください。

2.消費材のお話が中心かなと思っていたのですが、消費材を

取りまくいろいろなお話に圧倒されました。

高橋氏と生活クラブの関係、信頼の強さも感じられました。

一般のスーパーに行くと、(すみません・・・)添加物入りのものを見て、

添加物入っていなかったら買えるのに・・・。材料を増やすと負担が増えるのに、

なぜプラスするの?という疑問に戻り、ぐるぐるします。

「出来たてほかほかの、練り物が食べてみたい!」です。

  • 疑問に思ったこと、質問したいことなど

汚染水排出開始してから今の石巻の現状について

質問したかったのですが・・・抜け落ちてしまいました。

 

・・・セシュウム二種は2011年11月から石巻魚市場で検査してきて数年後から検出限界の結果しか

出ていません。当の福島県も今は殆ど出て来てません。でれば公表されています。

 

トリチュウムの件であれば、各生協がセシュウムなどと同じ、10ベクレル/kgを基準として

検査していますが今のところそれを上回る結果は出ていないと思います。

他の核種(ストロンチュウム他)はごく少ないこともあってか、検査されておりません。

石巻市場では検査しておらず生協が最終商品で検査している状況です。

    

もう一方で 風評被害で心配されましたが、中国や韓国の輸入停止措置が政治とからめて

ホタテに見られるように大きな問題として出てきました。それに日本国民が反発して積極的に

買って応援しようとなりました。その中で、風評被害により売り上げ減があった生産者や加工

業者、流通業者や飲食店などには政府や東電から手厚い補償金が用意され東電でもかなりの人員

をその部門に投入しています。支払い実態は分かりませんが、住民への二次補償金や企業への

手厚い補償金、市町村へのそれも併せてかなりの金額が我々には見えないところで支給され

てきています。不満への口封じになっていることは否めないと思います、地域内で住民の分断も

でてばらまかれたお金が不幸を呼んでいるとの批判もあります。

 

イメ-ジで恐れないで欲しいと思います。

福島の事故で放射能は北では北海道、南は島根県まで飛んでいます。

今回石川県能登の地震で志賀原発で事故が起きていれば金沢市はもちろん規模により関西圏にも

と考える説もあるのです。

 

  • 感想をご自由にお書きください。

3.違和感は大事にしていいんだと思えました。(粉ミルク飲めなくてもいいや。)

とてもおいしい練り物、情熱があるから、メッセージが込められてるから

安心して食べよう、子供にも食べさせられると思えました。

油にもこだわっていると知れて、油抜きせずおでんしようと思います。

3歳の長男は魚の練り物、ちくわ、好きなので高橋さんの食べさせます。

貴重なお話ありがとうございました。

 

  • 感想をご自由にお書きください。

4.今日はここでしか聞けない話を

たっぷり聞かせて頂き、高橋さんの思いが心にひびきました。

今週おでんセットを頼んだので、今日の話を

思い返しながら家族と一緒に大事に食べたいと思います。

 

  • 感想をご自由にお書きください。

5.この生活クラブに加入できてよかった。

こだわりの食材に出会えてよかった。

ここまでまじめに食材への思いを持って作っておられること

知っておどろきました。

冬はおでんの季節。わが屋も来週はおでんで

ぜいたくに頂きたいと思います。

この世の中ってすべてごまかしが横行しているな~って思います。

添加物にうるさくこだわっているとうっとうしい人と思われがちですけど、

がんばって伝えていきたいです。

 

  • 感想をご自由にお書きください。

6.私は自分の方針として、会いたいな、と思った方には可能な限り、

会いに行ってみる。この卵はほんとうに 平飼いされてるのか、と、現場を

見学に行ったりします。今回のこの企画は、本当に参加させていただき良かった

です。できれば高橋さんの工場見学をしてみたかったですわえ。

一切の手を抜かない姿勢に感動しました。生活クラブともども感謝です。

 

  • 疑問に思ったこと、質問したいことなど

震災後、工場を再構築するか、やめるか、生きていくべきか、胸のつまる

思いがヒシヒシと伝わってきましたが、続けよう、生きようと高橋さんに

決断させたものは、何だったのでしょうか?

質問コーナーで、おたずねするのをすっかり忘れて頭、とんでました。

・・・・お話ししたつもりでしたが時間で早口になったかと思います。

  • 生活クラブ中心の生協の皆さんの直接間接の物凄かった支援です。
  • 180人の私的故に支援も来ない避難所の世話人としての役目、使命、責任感です
  • そしてその避難所の女性たちが気づき話しあい仲間で行動したその力も私の力になりました。

 

・・・・ここまでは震災と言う「崖」から引き揚げられた。次は歩き出すか、そのまま事業継続をストップ

 するかの大きな理由とその決意です。自分や会社の再出発の「真の意味」です。

  • 当時は中々言葉化できませんでしたが 「この地で真に必要とされる会社やスタッフになる」
  • 必要なのは「こころの復興」=被災したからこそできる会社としてもチャレンジと学び。
  • ―①ひとつは引きこもりの若者たちの野菜果物の加工施設で地域と当社に「灯りっこ(小さな灯り)」を

  ともす。⑥―② 二つ目は、製造現場だけでなく事務所スタッフを含む

  試食と改良の日々が2024年1月現在で3000日近くになりました。

  現場で考えぬき事務所で目をつぶり試食するスタッフもいて「メッセ-ジ」を込めた商品つくり

  で継続してきています。

 

  • 感想をご自由にお書きください。

7.我が家はたまごアレルギーがあるのでねり物を注文できなかったのですが

たまごを使ってない物もあることが知れたので、家でも楽しみたいと思います。

被災地の話が聞けて良い機会になりました。

とっても温かい想いがこもった生産者さんがいてくれてうれしいです。

 

  • 感想をご自由にお書きください。

8.貴重なお話を聞くことができました。

ねりもの、会社、人に対する高橋さんの

熱い想いが本当に感じられて今後は高橋さんの消費財にお世話になります。

おでんもおいしかったです。

ありがとうございました。

 

こちらこそ沢山のご感想を頂戴し、誠にありがとうございます。

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